用語王都エコール
解説アルティスタ公国の首都たる地域。図書館、博物館、歌劇場など、公国の文化の中心地であり、《乱調の雨》発生以降は《創世委員会》及び《アマガサ》の本部が置かれるようになり、《乱された創意》による被害が最も少ない安全地域となっている。
用語公立サヴァン大図書館
解説主に、文字を紡いで創作をする《文学系》のイデアを持つ《創者》達が集まる場所。一般向けにも解放されており、形容しがたいほどに広大なその建築物の内部には、所狭しと本棚が並べられており、それは天井まで届くほどで、下から上までぎっしりと書物が詰め込まれている。
用語公立ルシェルシュ学芸館
解説主に、ありとあらゆる事象を数式で求めようとする《理数系》のイデアを持つ《創者》達の集まる場所。国民にはアカデミア(学校)として開放されており、ここでは《創者》が教師を任されることも少なくない。また、様々な薬品を取り扱う《科学》分野のイデアを持つ《創者》のため、実験棟や医療棟が用意されており、こちらは総合病院として機能する。
用語公立ルコンセール歌劇場
解説主に、音楽に関するイデアを持つ《創者》達が集う場所。毎日、日が沈むと開場し、歌劇やオーケストラ、演劇などを楽しむことができる。中庭には巨大な樹木のもとにベンチなどが置かれており、訓練などで疲労した《創者》の憩いの場となっている。
用語アマガサ本部
解説アルティスタの希望たるアマガサ達が、討伐・調律任務の受注を行なったり、更には創世委員会の会議用の大部屋まで存在する、いわば国家防衛のための最重要施設。雨具の管理などはここで行われている。また、巨大な聖堂のような外観をしているが地下に向かっても階層は続いており、非常時の民間人収容、書庫、物資保管庫としての役割も果たしているという。
用語大工房
解説《製作系》のイデアを持つ創者が集う場所。アマガサ達の武装や雨具の修理、雨具の製作なども行う。この場合、特に創作による名声は重要視されず、製作における技能の高さだけで大工房への所属が決定する。非戦闘員が多いが、中には戦闘も可能という創者もいるようだ。
用語アルモニー天蓋商店街
解説王都に存在する流行の発信地。天蓋商店街と呼ばれる由来は、乱調対抗型イデアを微量ながら硝子の屋根に用いている店である。人工物への乱調対抗型イデア投与の実験の産物であるが、実際、その耐性は強固なものがあり、様々な店舗が揃い人々の集まる場所をアマガサ無しである程度防衛するには十分なものだ。
用語ベルスーズ居住区
解説王都最大の住宅街。
様々な身分階級の人々が入り混じって生活しており、迫る終末を前に、手を取り合って命を明日へ繋げるように、今日も創芸に励んでいる。
用語歪み果てた聖堂区
解説雨により歪んだのは、壮麗なる聖堂か、あるいは、私たち人間の愚かな信仰だったのか。厄災が発生したことを知り、それが一刻も早く収まることを願い、人々は偶像崇拝を続けていたが、雨は止むことを知らず、風に乗って運ばれてきた、岩の神の血の匂いたるペトリコールと共に、神に縋るしか術を持たなかった人々ごと、その神秘に包まれていると信じられていた聖堂区から、創作を奪った。残ったものは、あの日と同じように神に祈り、その失楽園に近づく者を淘汰せんとする、あの日の神の子たちだけだった。
用語打ち棄てられた繁華街跡
解説乱された創意出現の日まで、アルティスタにおける商売の中心地だった場所。人々で賑わっていたところを乱された創意によって強襲され、無数の死傷者と建造物被害を出した事件は、アルティスタ国民であれば心に焼き付いて離れないという者も多いだろう。現在は人々は王都へ避難しており、廃墟と傀儡に加え、未だ回収し切れていない亡骸の山だけが残された。
用語傀儡彷徨う旧住宅地
解説上記の襲撃事件より数日前、繁華街付近の住宅街もまた、乱された創意による奇襲を受けた。アマガサ設立よりも以前に起きたこれらの事件に対して、民間人は全くの無力であり、住民の過半数が死亡、もしくは傀儡化して、のちの繁華街襲撃に加担したとされる。
用語調律の契り
解説アルティスタの創者が、アマガサとなるための試験。
まずは創作魔法が扱えるかどうかの基本的な確認を行い、その後、注射器のようなものを用いて、創者の身体に《乱調対抗型イデア》を埋め込むというふたつのフェーズに分かれる。
この契約はアマガサ入隊の必須条件となっている。
用語イデア
解説アルティスタに生まれる人々が持っている、芸術に対する才能や適性の呼び名。
《文学系》《理数系》《音楽系》《製作系》の4つの大グループの中に、無限大とも言えるほどのイデアが存在しており、先天的なもの、後天的なもの、どちらも共通でこう呼ばれる。
用語創作魔法
解説イデアを具現化する魔術の体系。幼児でも扱える。
これにより、思い描く形に沿った創作を人々は行ってきたが、厄災以降、その万能性を生かして攻撃などに転用する技術を創世委員会が発案し、そうしてアマガサが組織されることとなる。
用語乱調対抗型イデア
解説創作を主な活動としている人は、多くの場合情緒不安定で、ひとたび絶望に駆られてしまうと創作意欲を失ってしまうが、乱調対抗型イデアは、乱調の雨による《傀儡化》を防ぐのと同時に、創作意欲の喪失、すなわちアマガサとして機能しなくなることを防ぐために投与される。
最初は結構痛い。
原因は不明。
用語雨具
解説創者達が戦闘時に纏う衣装のこと。デザインのイデアを創造(《描画》等のイデアを持たない創者に対しては、国が特殊窓口を設けており、そこでデザインの希望を直接聞く形となっている)して大工房へ提出。そのイデアを元に、乱調の雨の効果をかなり軽減する繊維を織り込んだ特殊な生地を用い、《裁縫》などのイデアを持つ大工房直属の創者達が、着用可能な衣装として創造する。条件は2つ。
①肌の露出は最小限
②頭頂部が覆われる
これによって、乱調の雨の中でも戦闘が可能になる上、乱された創意の返り血を浴びても《創意摩耗》状態になりにくくなる。創者となる際、自身の雨具を用意することから始まる。
用語乱された創意
解説乱調の雨を浴びた、元人間。イデアを喪った存在で、それは実質死と同じ意味合いを持つ。生前の特性や癖などを、意識せず、意識する頭脳も持たず繰り返し、イデアを持った人間が近寄れば、たちますそれを喰らおうとする。これらの討伐もアマガサの任務のひとつである。
用語乱調の雨
解説ある日突然アルティスタを襲った厄災。《乱調の厄災》とも。雨雲には無数の音符や文字、数字が入り混じって浮かび上がっており、そこから降り注ぐ雨水はどす黒い洋墨のよう。それを浴びれば、人はたちまち《イデア》を喪った存在《乱された創意》となり、創作魔法によって創られた建造物などは瞬く間に歪み果ててしまう。領土拡大などを創作魔法の力に頼ってきたアルティスタの街などは一瞬にして使い物にならなくなり、人々はその領土と人口を、じわりじわり、真綿で首を絞められるように、失い続けていた。
用語アマガサ
解説乱調の厄災以降、国家の防衛と人類の生息圏の再拡大を担うように設立された、創世委員会直属の部隊。
名前の由来は雨を凌ぐ傘から。
文学、理数、音楽など様々な創作活動や研究活動において、多大な賞賛を得た《創者》と呼ばれる人物を募り、乱された創意の討伐や、雨によって歪んだかつての国土などを調律することを任務としているが、それは常に危険と隣り合わせであり、殉職する者も非常に多い。
用語創意解放
解説乱された創意による攻撃を喰らい、だんだんと創意がすり減っていった創者が用いる秘奥義。効果などは個人差がある上、発動条件が発動条件なだけに、確認されたケースは稀であるが、経験者によると《削られずに残った最後の創作意欲が爆発したような感じで動けた》ということらしい。今後の創世委員会の研究に期待が高まっている。
用語批判戦
解説互いのイデアと創作を認めないことが原因で、しばしばアマガサ対アマガサで発生する無益な戦闘行為。これらは見つかり次第創世委員会へ報告するよう各アマガサへ通達されているが、一向に事案数が減らない、創世委員会の悩みの種。発生が増加した原因として推測されるのは、比較的若い層がアマガサになりやすく、精神的に未熟な面があるからと言われている。
用語創世委員会
解説国家における創作活動統括などを行なっている組織。新人作家の作品を広告したり、研究費用の補助、製作品の使用許可認定など、様々な仕事をこなしている。12席(詩歌、純文学、数学、生物学、物理、管弦楽、雅楽、調理、錬金、絵画)で構成されており、皆それぞれの分野におけるエキスパート。
用語創芸公
解説アルティスタ公国元首。
ヴェールを深々と被っており、素顔は誰も知らない。多種多様なイデアに精通しており、その創作欲は最高峰。
用語共創の契り
解説アマガサにおける儀式の一種で、アマガサ対アマガサに用いられる。これまで異なる人生を歩み、異なるイデアを創造してきた《創者》二人が、今後死にゆくまで、二人で共に新たなイデアを紡いでいくことを誓う儀式。この契約を交わす二名は、作風の違いなどから背くことなく、互いのイデアを尊重し、深く理解して、強い信頼関係を結んでいなければならない。だが、その条件を乗り越えれば、互いをありとあらゆる面でサポートし合い、戦闘任務においても息を呑む連携が可能となる上、新たに共通の《イデア》をひとつ習得できるようになる。
用語傀儡化
解説乱調の雨を浴びた人々がイデアを失い、乱された創意と成り果てる現象の名称。メカニズムなどは未だに解明されていないが、一度乱された創意になってしまえば元の人間に戻ることはなく、アマガサはこれらの処分活動を行っている。
用語調律
解説その地域の乱された創意を殲滅したのちに、数十人の創者達が祈りを捧げることで、歪み果てた土地を元の姿に戻すこと。アマガサは乱された創意討伐に加え、国内の調律も任務として与えられている。